クソしかいねー世

クソしかいねー世に愛を叫ぶ

農家でバイトを始める男

背景

半年ほど就活しながらの無職生活を楽しく送っていたんですが、無事に内定を貰ったのでやることがなくなった。

入社予定日は来年の4月。今から半年間ほど、何しようかなー?と途方に暮れた。
就職活動をしない無職、本当にヒマとしか言いようがないし、本当にヒマでヒマで仕方ない。
就活中は親や恋人からの「マトモなところに早く就職しろやカス」というプレッシャーに耐え、内定をゲットしたらしたで今度は「さっさと働けやバイトしろカス」というプレッシャーが半端ない。
そんな感じでアルバイト探しを始めたのだった。
 
 

アルバイト選び

ここで、過去の僕のアルバイト履歴を紹介しようと思う。
 
18歳:大学入学。人生初のアルバイトは家庭教師だった。特に考えはなく、なんとなく始めたアルバイトだった。3ヶ月ほど家庭教師をした後、内勤に誘われて家庭教師派遣会社の内勤として働き始める。家庭教師として登録している人達の管理や、簡単な顧客管理をした。時給は730円だった。
19歳:同家庭教師派遣会社で営業。19歳になった翌週から、客には「22歳の新人ですー」と嘘をついて1人で営業に行ってた。最高成績は月間500万くらいの売り上げで、全店舗の社員の中で1位の成績だった。だんだんと時給が上がっていき、最終的に870円になった。
20歳:教師管理、顧客管理の全ての仕事が出来るようになっていた。出来ないのは店長業務とか給料とかのお金まわりのことだけだった。やれることばかりになって分かったのは、いくら頑張ってもバイトは店長業務を出来ないという当たり前の現実だった。何百軒もの家庭に営業に行き、事務の仕事もし、バイトとしてその会社で積むことが可能な経験は十分に積んだ。だから家庭教師派遣会社のバイトを辞めた。家庭教師派遣会社のバイトで得られたことは、「頑張れば時給は上がる」ということ、「家庭環境や家庭事情は色々ある」ということ、「学生バイトが出来る範囲の仕事はクソつまんねー」ということ、「でも、友達がやってるコンビニや飲食店のバイトよりも面白かったのでは?」ということ、「学生だからこそ、将来はやりたくない/やる予定のない業種・職種で働ける」ということ、などだった。
21歳:次のバイト先として、ラブホテルを選んだ。ここから大学卒業までの数年間をラブホに捧げることとなる。ラブホを選んだ理由は、たくさんある。ラブホっていうコンテンツに対して立ち向かうためのセンスが20代前半にしか持ち得ないと思ったから。おっさんになってラブホで働いてる人生とか普通に嫌だけど、ラブホで働いてみたかったから。学業優先で働ける時間帯のバイトだったから。世の中の人間の裏を見たかったから。時給は驚くほど低かったけども、死ぬほど面白いことが待っている予感しかなかったから。などなど。
 
長期でバイトしたのは以上。他には短期でイベントスタッフ(設営と撤去)や、選挙の開披台調査(開票作業を2階から双眼鏡で目視しながら得票数をカウント→本部に電話で報告。本部で情報がまとめられ、一定数に達すると速報として当選確実ってニュースが流れる。留学生が日本の選挙の仕組みを知るためにバイトしてたりしてて面白かった)、塾講師も少しやったりした。
 
そんなことがありつつ、高等遊民である僕が、20代後半になってしまった僕が、今後の人生のためになるバイトとは?と考えたときに真っ先に浮かんだこと。
それは、

農業をやらねば!
 
という思いだった。
 
 

農業をやる男

なぜ農業のバイトなのか?
それは、就農人口が減っているからだ。
上記リンク先のPDFを見てもらえば分かる通り、就農人口は減っている。
つまり、人がやりたがっていない仕事である。
人がやらない、すなわち、オモシロイ仕事である。
また、私の次の就職先は農業ではない。私の人生において、農業で飯を食べる予定はないし、食べていける自信もない。
さらに言うと、就農人口の減少という問題は2015年現在において新しい動きを見せている。
すなわち、若者の“ビジネスとしての”参入である。耕作放棄地は増えていっており、就農人口も減少しているなかで、若者の就農はわりと熱い問題となっている気配がしており、2010年頃までのような単純に「就農人口減少!耕作放棄地増加!ヤバい!!!」と言っているだけの問題ではなくなってきているような気がするのだ。
その他にも、体力的に今しか出来ないだろうという考えもある。僕は小中高大と文化部の、生粋の体力筋力無し男である高校2年の時のスポーツテストでは、学年ビリ2の成績だったこともあるくらい運動と縁がない人生だった。そのため、体力仕事をするなら今しか出来ない!若い今しか無理だよ!(そもそも今も無理かもしれんけど…)ちなみに、前の会社はパソコン仕事していて、次の就職先も事務仕事である。
「っていうか、そもそも食べ物は食べないと死ぬっていう最重要なものなのに今までやってないってことの方がおかしいよな?そうだよ、農業やったことない40代男子とか、ただのメタボのクソだせー大人としか言いようがなくね?お前は農業やったことないくせに子供をきちんと育てる自信があんのか?あ?殺すぞ!」みたいな精神世界のやりとりもあった気がする。
以上のような理由から、この少しの空き時間に、人生最後だと思われる自由な時間に、農業を少しでもかじってみたいと思ったのだ。


アルバイト探し

さて、農業をやろうと思い立ったものの、そう簡単に農家でバイトを募集してるものなのか?
答えは、 YES だ。
とりあえずコンビニ行って無料のバイト情報誌をゲット。載ってるわけないよなーとか思ってたら2つほど載ってた。
僕が住んでいる場所が田舎だってことだろうけども、それにしてもラッキーだった。
ので、実際に農業バイトしたい人がどうするのかは知りません。別途ググってください。


アルバイト応募

求人があったからといって、やりたいことかどうかは別問題である。僕は、やりたい農業をやりたいのだ。
求人に出ていたのは「さつまいもの収穫」と「干し芋製造」だった。
前者は、さつまいもを収穫して約20kgのさつまいもの入った箱を運搬するのが主な仕事。出勤日数は応相談。時間は7:00〜17:00。時給1000円。
後者は、さつまいもの皮剥きが主な仕事。出勤日数は週3日程度。時間は1日5時間程度。時給750円。
後者は論外。干し芋屋なんだけど、楽天ランキング1位とかいう有名店である。儲かっててネット通販もしてるような現代的なところに興味はないし、皮剥きとかいう婆ちゃんの仕事をやりたいわけじゃないし、第2次産業ではなく第1次産業に従事したいのだった。
前者は収穫作業であるが、これもまた干し芋屋である。地域で1番ではないけれど中堅どころで、そこそこ有名である。期間の記載がなかったけれど、もしかしたら加工までやるのかな?そうしたら半年くらいあるな?期間的にはピッタリだなー。仕事内容的にも、そもそも半年間で最初から最後まで、つまりは苗から出荷までやろうなんて思ってないので、収穫っていう美味しいところを持ってけるとか最高かよ…苗から収穫までのことは適宜誰かに質問すれば知見を得られるだろうし…ピッタリかよー。むしろ、加工までやるとしたら第1次産業にも第2次産業にも関われるし、中堅どころとはいえ田舎の弱小農家なので加工より先の販売まで関われる可能性もある。時給だって、クソ田舎にしては破格の1000円だ。最高かよ、ここに決めたっ!!!!


面接

さっそく電話した。
アルバイトの募集をまだしているか聞いたら、「してますよ」という雑な感じ。近所のおっさん感あった。
電話に出た男の人に面接してほしい旨を伝えると、「この日は僕がいないんで〜…」とか言い出す。
えっ?会社に電話したら電話出た人が面接もするの?面接担当兼電話番なの?イイ感じに弱小かよ!最高かよ!!田舎の弱小農家の実態が俺を待っている予感!!!

といったやり取りをし、面接当日。
その会社の事務所兼販売所に行ったら、おっさんが1人。
そのおっさん、もちろん面接担当兼電話番のおっさんだったんだけど、社長だった。

社長かよ、クソワロタ。

面接で話した内容を要約すると、
・収穫は体力勝負だけど大丈夫か?という確認
・学生時代に部活はやっていたか?という確認
上記質問には素直に「部活は文化部だったのて体力ないかもしれないですが、キツイのは承知で応募しました。頑張ります」的な返答をした。
・収穫だけじゃなく加工もしてほしいが大丈夫か?という確認
・収穫は1ヶ月半程度、その後は加工で2月末くらいまで仕事あるという話
「最高です、2月末くらいまでの勤務が理想です!出来れば3月中旬くらいまであると助かるんですけど………」的な返答をした。次の就職先が決まっていることも伝えた。
・加工が早めに終わっても、物産展の販売とか営業とか、ウチは中小だから全部自社でやってるから何だかんだ仕事は用意できるよ。
「これぞ求めていた中小企業農家!!!是非、販売とかもやらせてください!!!」的な返答をした。
・朝は7時からだけど大丈夫?という確認。
「頑張って起きます…」的な返答をした。
・まあ、若いし、キツイだろうけど入ってみたら何とかなると思う。若いうちに農業するのは良い勉強にもなると思うよ。とりあえず、やってみようか?


といった感じで、わりと面接は盛り上がって「じゃあ、10月1日から来てください」とのこと。
こうして僕は半年間の無職生活にピリオドを打ち、半年間のフリーター生活(農家見習い)へと突入していったのであった………。


農家バイトの実際は、おいおい書いていきます。
とりあえず、体力勝負すぎてブログを書く肉体的余裕がなかった………。
だいぶ体が慣れてきたので、これからはブログを書くの頑張ります!