クソしかいねー世

クソしかいねー世に愛を叫ぶ

【201510】小説・映画とかの感想メモ

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注)感想メモなので、あらすじを記載したり考察はほぼしない。
個人的な読了後の感想をそのままアホみたいに書くだけです。

 

 

【漫画】

西餅『ハルロック』全4巻

電子工作する女子大生が主人公の漫画。
すごい面白かった。個人的に”ものづくり”に憧れがあるんだけど、工作のこういうところに憧れるんだよなぁ~っていう感情が止め処なく溢れてきて最高だった。アイディアが実生活に直結する世界で、そういう技術を持ってる人って良いよなぁ。

 

藤田和日郎『黒博物館 スプリンガルド』全1巻

藤田和日郎の絵柄が生理的に受け付けないんだけど、面白いという噂を耳にして頑張って読んだ。やっぱり絵柄が生理的に受け付けなかったけれど、そこそこ面白かったような気がする。
藤田和日郎の童謡的要素が生理的に受け付けないんだけれど、やっぱり、童謡チックな、或いは少年漫画チックな要素が生理的に受け付けなかったけれど、そこそこ面白かったような気がする。
藤田和日郎の絵柄や物語が生理的に受け付けない僕でも最後まで読めたっていう結果をもってして、やっぱり面白いのかなぁーという感じ。

 

五十嵐大介海獣の子供』全5巻

これは凄い。これは凄いぞ。今年読んだ漫画の中でいちばん凄い。面白かった。

 

羽海野チカ3月のライオン』11巻

恋愛メインになってしまって、主人公が今は何の試合やってるのかが分からんくなってきた。前巻までの内容を思い出そうとしても、恋愛模様しか思い出せない。もうちょっと将棋よりに戻ってほしい。

 

 

【小説】

法条遥『忘却のレーテ』

記憶喪失ミステリ。
別の法条遥作品を読みたかったんだけど、それが4部作と長いのでお試しに読んでみた。ってことで、初法条遥作品。わりと面白かった。が、最後のP300~P320が頭悪い人用の解説部分なんだけど、本当に内容がない。さんざん提示してきた内容を明示しただけなので、オチ無しとしか思えない。そういう意味で、個人的にはミステリではないと思う。P300~P320を読んで「そうだったのか!」とか言う人間は脳みそ弱ってるから気を付けた方が良い。まぁ、そういう層をターゲットにしたレーベルなのでは?感あるし、レーベルの特徴が出ただけなのでは?感もあるけども(新潮文庫nexはTwitterで色々言ったりしてるのでラノベ定義戦争に興味ある人はググると面白いと思う。個人的には”一般文芸で勝負できないラノベ界隈の人間がビビってキョドって一般社会の様子見をしながらご機嫌伺いしながら恐る恐る出版するレーベル”だと思っていて、特に根拠とか理由はないけどそう思っていて、なので今回は手を出してみたっていう節もあるわけで、意外と良かったので同レーベルの他の人の作品もチェックしてみようかなと思ったりした)。ラストに驚きもエンタメもない、っていう点だけがおしい。逆に言えば、オチ以外は本当に面白かった。(以下、このカッコ内ややネタバレ注意。読了後にこれ読んでて「そもそもオチは一番最初でしょ?」とか思ったカスに言うけど、僕は商業作品としての小説としての最後を締めくくる、物理的な本として最後に存在する、そのオチのこと言ってるわけです。)表現とか構成とかはとても良かった。この人の文体、好きだ。読みたい方の4部作が楽しみになった。

 

 

【その他】

特掃体長『特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録』

特殊清掃に従事するおっさんのブログを書籍にしたもの。ゴミ。
僕は就活のとき、わりとマジで特殊清掃という道に進もうか悩んだ時期があった。非常に真剣に悩んだ。なぜなら、僕はラブホでバイトしてたから。ラブホでバイトしてた時、ラブホという空間や概念や経済や社会学を学び考察し観察した。そしてラブホで十分な時間を過ごしたあと、特殊清掃の道に進もうかと考えたのは自然な流れだった。そこには明確なものしかなかった。だからこそ、こんなクソみたいなこと言ってるおっさんを許せない。中年のおっさんが中二病のノリでちょっと良いこと言ってみました風な文章を200ページも読むの苦行だった。”自分は鬱病なので~”って、そんなこと読みたくて本を買ったわけじゃねえ。鬱とかいって情けないこと垂れ流してクソつまんねぇ綺麗ごと言ってるポエムを読みたかったんじゃねぇ。お前の20年はクソかよ。お前は最高に素敵な環境に20年もいながら、そんなに童貞臭いポエムしか書けねぇのかよ。
中年の鬱おっさんが書いた死にまつわる童貞臭い詩を読みたい人にはおススメ。
だが、特殊清掃について見識を広めたい人には金ドブであると警告しよう。

 

 

 杉坂圭介『飛田の子 遊郭の街に働く女たちの人生』

数多ある風俗業界関連のノンフィクション/ルポ/告白もの/自伝/エッセイ/ドキュメントの中でも、最高に面白い部類だと言えるんじゃないか。飛田新地についてのアレコレはもちろん面白かった。予想以上に求めていた内容が描かれていて大満足。しかし、それよりも、文章は面白くて知的でさえあるのに言動がカスすぎるっていう、作者の地の文と会話文のギャップが最高だった。キャラ読み出来るドキュメントと言えるくらい登場人物が魅力的に描かれているのも個人的なツボに入ってしまった。
飛田新地というか、風俗業界についての考察をする上で非常に役立つ1冊であることは間違いない。前作は未読なので、前作も読んでみようと思う。

 

伊集院憲弘『客室乗務員は見た!』

作者が客室乗務員として働いていたときに遭遇した事件などがたくさん載ってる本。アホみたいな話が多くて楽しかった。イスラム教徒がメッカの方向を訪ねてきたという話が載っていて、このブログでも前に話題にしたけど、やっぱりイスラム教徒が気になってきた。あいつら、礼拝で使うマットを飛行機内に手荷物で持ち込んでるんだなぁ…という新たな発見をした。

 

吉田太一遺品整理屋は見た!』

これが読みたかった。クソみたいなポエムじゃなくて、こういう本を読みたかったんだ。死に際に真摯に立ち向かうプロの、こういう本を読みたかったんだ!

 

村田らむ『ホームレス・スーパースター列伝』

凄いルポルタージュだった。が、唯一気になったのは著者が違法行為に喝采を送っていることだ。ホームレスという生きるだけで必死な人たちが犯す違法行為は賞賛すべきカッコよさなのか疑問で、そこのみ価値観が合わないなーと思った。

 

久松達央『キレイゴトぬきの農業論』

脱サラして農業始めたおっさんの日記。門外漢が独学で農業について畑で妄想した内容をまとめた本なので、「論」とタイトルについているけれど学問の体をなしてはいない。意味不明な思考が垂れ流されるばかりで、大学に通って農学部でまともに勉強した方が良いんじゃないかな?ってアドバイスしたくなる。タイトルにある「キレイゴト」の定義さえ明確に記述されない時点でお察しレベル。推察するに、「キレイゴト」の定義とは、”作者にとって都合の悪い思想”でしかない雰囲気が漂う。そんな「キレイゴト」を抜きにして農業を語ったところで特に面白い話題はないし、作者の都合の良い妄想にしかなりえない。「農業論」を馬鹿にしてるとしか思えないし、そんな現代の農学に喧嘩を売ってまで書いた本がクソ面白くもない、知的センスもない、ただの妄想でしかないのがムカツク。お前は学問的に負けてるぜって言いたい。ビジネス的にはそれで良いのかもしれんけれど。加えて、前書きで言っている通り、作者は農業をしているのではなく「巨大な家庭菜園」をしているだけなので、読むときに注意が必要だ。俺がやってるのは家庭菜園だよ!って自信満々に正しい謙遜をしながらも、結局は自身の手に負えない農業全体に言及したりと取り留めがないので、どこまでが家庭菜園としての立場で、どこからが調子に乗って立場を忘れてる妄言なのかを気にして読まなければならない。そういう意味において手軽に読めないので新書としての価値はない。「僕は」「僕は」の多さに辟易としながら、読む価値を見つけられずに読了してしまった。趣味の日記という域を出ないゴミ。

 

農文協『農家が教える ジャガイモ・サツマイモつくり』

別冊現代農業2013年10月号が単行本化されたもの。
農家バイトを始めるにあたって読んだ。データや図が豊富で非常に勉強になったし、とても面白かった。が、一般人が家庭菜園をやるレベルなら必要ないほど専門的。さすが現代農業って感じ。僕のようなガチでちゃんと知りたい農業初心者には良いと思う。
ちなみに、農文協農山漁村文化協会の略らしい。

 

農山漁村文化協会『現代農業 2014年11月号』

コンテナ特集の号。バイトで使っているコンテナについての知見を深める為に読んだ。統一規格がないとか、素材の表示義務がないとか、強度にばらつきがあるとかいうコンテナの定義に関わる問題は興味深かったし、ここにはビジネスチャンスが埋まってる気しかしなかった。また、コンテナの様々な活用法が紹介されており、その発想に驚いた。やっぱり、農家って頭の回転が早くないとやってけないね。僕には無理だなー。未定義で統一規格がないからこそ、農家がそれぞれに面白い使い方ができているんだろうなーと思いました。つまり、ビジネスチャンスの臭いがプンプンする。農業に興味ないけど何でもいいからビジネスチャンスを掴みたい人、一瞬だけ農家に弟子入りして実情を調査してからコンテナで儲ければ良いと思う。

 

 

【映画】

 

 『グリース』

1978年のミュージカル映画
ジョン・トラボルタが格好良い。78年のことを想像するに、ジョン・トラボルタが格好良すぎる。この前観た「ヘアスプレー」でも一番よかったのジョン・トラボルタだし、ジョン・トラボルタはやっぱり凄いな。あと、知ってる曲が多くて音楽は楽しかった。でも、構成とか微妙で、登場人物多いんだけど各キャラを立たせきれてない感じした。要素が多すぎるというか、見せ場作りが微妙というか、ジョン・トラボルタいなかったらヒットしてなさそうって感じがしないでもないけど、誰がやってたとしてもその人にとっての出世作になっただろうなっていう感じもしないでもないっていうか。

 

 

 

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大掃除するときのために個人的な点数を書いとく。
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90~100:最高としか言いようがない。。。
80~  :出会えて良かった!
70~  :なにこれすげー面白いじゃん!
----越えられない個人的なツボ----
60~  :かなり面白い
50~  :わりと面白い
40~  :ちょい面白い
30~  :普通
20~  :特に面白くないし印象がない
10~  :お金を払ったことを多少後悔している
 0~  :ゴミに限りなく近い
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79点 西餅『ハルロック』全4巻
43点 藤田和日郎『黒博物館 スプリンガルド』全1巻
97点 五十嵐大介海獣の子供』全5巻
50点 羽海野チカ3月のライオン』11巻

 

53点 法条遥『忘却のレーテ』


 0点 特掃体長『特殊清掃 死体と向き合った男の20年の記録』
73点 杉坂圭介『飛田の子 遊郭の街に働く女たちの人生』
33点 伊集院憲弘『客室乗務員は見た!』
71点 吉田太一遺品整理屋は見た!』
79点 村田らむ『ホームレス・スーパースター列伝』
 7点 久松達央『キレイゴトぬきの農業論』
65点 農文協『農家が教える ジャガイモ・サツマイモつくり』
71点 農山漁村文化協会『現代農業 2014年11月号』

 

35点 『グリース』