クソしかいねー世

クソしかいねー世に愛を叫ぶ

【201508】小説・映画とかの感想メモ

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注)感想メモなので、あらすじを記載したり考察はほぼしない。
個人的な読了後の感想をそのままアホみたいに書くだけです。
 

 

【漫画】

曽根富美子『新装版 親なるもの 断崖』第1部・第2部
すごい漫画を読んでしまった。
ガラスの仮面とかもそうだけど、一昔前の漫画家が持ってる力は凄いよな。物語の重厚さ、テーマ、展開、演出、それらすべてに力強さがある。
とはいえ、第1部はちょっとうざかった。言ってることは首肯できるし、反論する余地はないんだけれど、それでもちょっとうぜえ。
というのも、作者がこの漫画を描いている時点での目線から語りすぎだからだ。文献を大量に漁って何百時間も調査し、その結果得られた作者の解釈した歴史を描く、そういう作者の作業風景が浮かんでくるような、そういう臭さがある。その時代の描写の中に、くどいほどに織り込まれる現代視点の偏った解釈の違和感がすごい。
ということで、大作であり名作であることは間違いないけれど、金字塔と呼ばれることはないだろうなって感じ。
 
週刊少年ジャンプで連載してたときは全然面白くないって印象しかなかったんだけど、移籍後に面白くなったと聞いてから読んだら死ぬほどハマって追っていたんだけど、遂に完結。最後まで最高だった。漫才とかのお笑い部分は文字だし絵だし良く分からんかったりもするけれど、物語は最高。物語で勝負する漫画っていいよね。
 
堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』5巻
将来的に面白くなってほしいという願望で買っている漫画。今のところ、面白くならない気がしてきた。
 
惰性で読んでる漫画。惰性で読むくらいのテンションだと想定より面白いので楽しめる。
 
九井諒子『ダンジョン飯』2巻
九井諒子作品は最高。だが、短編の方が好きだ。
 
田中圭一神罰』全1巻
なんとなく再読。好き。
 
どこかで見たことのあるような設定と、どこかで見たことのあるような怪物と、どこかで見たことのあるような物語が繰り広げられる作品。映画化されてるみたいだけれど、映画も酷いらしい。こんな原作で、よく映画化しようと思ったなーって感心した。オリジナリティが一切ないし、特別な力もない娯楽作品。巻頭の作者コメントと巻末のおまけページから滲み出る作者のウザさが、より一層この作品をキモくしているので読むべき。専門学校生とかニコ厨のノリに近い。プロという立場ではあるけれど、その末端にいるに過ぎないことを自覚してないクソ野郎って感じがしてウケる。
 
やまあき道屯『X細胞は深く息をする』全1巻
心臓移植に対して医学と工学の立場からアプローチする部分については、考えさせられることが多かった。この時代に、まだ技術が倫理を完全に追い越していない今、読むべき作品だと感じた。大学内のリアルさも良かったし、学術的な内容も(僕は門外漢なので意味分からんかったけど、雰囲気は)それっぽくて良かった。が、良いところは以上。問題提起としては非常に優れた作品だが、それ以外としてはゴミ。
 
marginal×竹谷州史『月の光』全4巻
結局、これは何だったんだろう。
日常系漫画ぐらい内容のない漫画だった。ゴミ。
 
面白かった。生物学ホラーの金字塔と言われても違和感ないレベル。
 
漫画喫茶で16巻まで読んだ。
そこそこ面白かったけれど、なんで流行ってんのか意味不明。
 
 

【小説】

小川一水『臨機巧緻のディープ・ブルー

続編が出るということで読み直し。最高。

 

小川一水『砂星からの訪問者』

最高。

 

牧野修『月世界小説』

言語SF。神と戦うSFだけれど、神を舐めてんのかって感じ。すべての要素が中途半端。キャラ設定や物語世界や登場する架空道具や登場人物に魅力が全くない。思いつきで書きました感が半端ない。単語のセンスもないし妄想のセンスもないし、特に句読点の使い方にセンスがない。いいところが1つもなかった。すべての文が作者の都合の良いように妄想で書かれているだけ。作者の妄想だから何でも良い、なんて理屈は現実の商業作品として許されない。これは登場人物の妄想世界だから~なんて言い訳聞きたくない。魅力のない登場人物のセンスのない妄想を書くな。一切の説得力がなく、一切の魅力がなく、クソみたいなまま終わるクソ作品。とても小説家が書いたとは思えない。なんていうか、演劇やゲームやテレビ番組の脚本家とか映画監督が書いてるっていうような雰囲気。つまり、文章だけでやっていけていない。アイデアありきで書いているけれど、そのアイデアを活かしきれていない。このアイデアを使って、ちゃんとしたSF作家が書いてたらかなり面白くなっただろうなと思う。もしくは、もう数年を構想に費やした方が良かったと思う。アイデアだけは評価できるけれど、そもそもありきたりなアイデアだっていう感じもあるし。倍の分量で緻密に書いても…きっと面白くはないんだろうなぁ。残念。難解な雰囲気だけれど、読み進めていくうちに難解さの欠片もないことが分かってくる。むしろ作者の知能が心配になってくるという感じなので、頭の弱い方でも安心して神と戦えますよ!やったね!
読んでいて感じたのは、映画の「リアル鬼ごっこ」に非常に近いということ。登場する人物は多いけども、その人数の必要性のなさとか。並行世界なんだけど、その設定の良さが全く出せていないところとか。必然性が一切ない設定や場面転換や物語展開なところとか。総じて、ゴミなところとか。

 

向井湘吾『お任せ! 数学屋さん』

第2回ポプラ社小説新人賞受賞作。
1章。数学を題材にした小説の導入部分って、なんでこういうクソみたいな定型になってしまったんだろう?異常に数学嫌いな主人公である必要はどこから生じるんだ?読書家は文系で、文系は数学を嫌いだっていう偏見からか?オリジナリティの欠片もない始まり方で、最初の2ページで読むのが苦痛になった。最初のテンポが悪すぎて読む気失せる。「数学屋」なるものを始めた不審者に対して「何から質問していいか分からない」と思いつつも普通に質問してるの意味不明だし、帰りのホームルーム後に「数学屋の定義とは?」と聞くだけで教室に誰もいなくなるほどの時間が経過してるのも謎だし、ホームルーム後に教室掃除しない学校って存在するのかも疑問だ。この中学校のシステムとして、教室などの清掃はいつ行っているんだろう?
2章。「もしも今が最悪、つまり幸福度が最小値なのだとしたら、これからは幸福度が常に今より大きいことになる」というのも意味不明。「今以上になる」なら分かるが、最悪な状態は継続しないという世界観なんだろうか?幸福度の計測に関しての精度が分からないので明確には言えないけれども…。そして、対象としてる読者がどの層なのか分からなくなってきた。こういう数学の使い方で小説を書いたらいけないと思う。駄作の匂いがすごい。
3、4章。テンポが悪く、全体的に気持ち悪い意味不明な文章が続く。主人公の女は数式を見ただけで号泣するという意味不明特殊性癖キチガイ女子となっていてウケる。「数学嫌いな人間が数式の美しさに触れて涙する」というのも数学小説あるあるだと思うんだけど、そんなクソみたいな数式でどうやって感動するのか教えてほしい。数式の美しさはたしかに数学の良いところで世間にアピールしたいっていう気持ちは分かるけど、さすがに「これが y = x だ!!」「うぅ…泣ける………」はありえんだろ。(例として書いただけで、実際に作中で y = x で号泣してるわけじゃないけど)
5章。朝のホームルーム前に教室の入り口でどんだけ喋ってんだよ。教師は注意しろよ。他クラスの奴はクラス戻れよ。アホしかいない学校かよ。2章で等号を省いて幸福度うんぬん言っていたのは、恋愛不等式への伏線だったかー(絶対違うよなぁ…)。
最終章。主人公女がよく言う「数学の世界」が意味分からんまま終わった。主人公男は世の中の話であると最初から主張しているにも関わらず「数学の世界」とかいって勝手な定義をして主人公男を観察する主人公女のクソさ。最後にこの世の中に戻ってきたけれど、そもそも主人公男は「数学の世界」にいってたことなんてないじゃないか。勝手に壁を作ってんじゃねえよ。最初から最後まで、とにかく主人公女の性根が腐っていて非常にむかついた。こんな頭悪くてイラつく女が出てくる小説、久しぶりだ。
まとめ。『浜村渚の計算ノート』と非常に近い作品。つまりは、数学を少しでも好きな人間にとってはゴミ。数学を分かった気になりたい頭弱いカスには良いかも。中学生にはおススメできなくもない。小説としては最低に近い。そして何より、作者が数学のことを愛しているとは到底思えないクソさ。

 

 

【その他】

枡野浩一『淋しいのはお前だけじゃな』

最初、すっげえつまんねーと思った。
読み進めたら、心に突き刺さってきた。

 

元少年A『絶歌 神戸連続児童殺傷事件』

噂の酒鬼薔薇聖斗さん凱旋本。
非常につまらなかった。ナルシストっぷりが尋常じゃなく酷い。30歳を超えた男が、ここまで装飾過多に自分を語れるって凄いことだと思いますよ。とにかくナルシストが気持ち悪すぎて、その面における生理的嫌悪感しかない。内容うんぬん以前に、文体が無理。内容も酷い。こんなクソみたいな内容で、人は何かを得られるんだろうか?僕たちが夢見ていたスーパースターは、ただの気持ち悪いおっさんになってしまったという現実くらいは得られたけれど。今まで通り殺人鬼でいればよかったのに、教祖になりたくなっちゃったのかな?こんな何も書かれていないに等しいこんなゴミに何らかの何かを感じる人間は、知能指数が低いとか精神病とか何か欠陥を持っているんじゃないだろうかと思うし、宗教にハマるタイプの人間なので気を付けた方が良いと思うし、濡らしてる女や勃起してる男どもは手遅れなので良質なファンタジーを読んで人生を立て直した方がいいと思う。
読後のこの気持ち、水嶋ヒロKAGEROU』を読んだ時と似ている。内容のつまらなさとか、ナルシストっぷりとか、話題になったけど世紀の駄作っぷりとか。

 

 

【映画】

『ヘアスプレー』

明るいデブが明るくダンスる映画。
底なしに明るいデブが明るくダンスして歌ってたら、世界平和って感じある。
ウィンクに色気がある男性陣がカッコ良かったけれど、デブの印象しかない。
主人公デブが主役って感じ後半につれ無くなってって、存在感もなくなってく。
一時祭り上げられても主役で居続けられないという、デブに対する当然すぎる扱いに哀愁を感じた。

 

『セッション』

劇場で観賞。
演技うまいなードラムって格好良いんだなー曲いいなーーーーー………脚本つまんなすぎね?ってなった。
劇場だったから音が凄くて良かったんだけど、家だったら魅力半減で物語のつまらなさが目立ちそう。
以下、ネタバレ含む感想を書くので、読みたくない人は飛ばしてください。
ニコルとかいうホームシックメンヘラ女、大学で皆から嫌われてるとかいう被害妄想あるのに彼氏がすぐ出来るの最高だった。だけど、メンヘラへの理解が足りていなくてキャラが立っていなかったのが惜しい。例えば、電話したときに静かだったのが違和感あるので、「今ディスコに彼氏といるの!良く聞こえないわ!あんた誰?」だったら最高だったなーと。あと、偉大な音楽家は挫折しないということを主軸にしての物語展開、途中で主人公は挫折してるし救いがない。結局、あの終わり方だと凡人が凡人のまま死んでいくんだろうなって。「スカウトは1度見た人間を忘れない」なら、そもそも事故ったコンテストで失敗してるわけだし最後のフェスティバルで暴走して超絶最高に決まったところで…才能ないわけだし。すべての会話が伏線のような映画だったけれど、結局のところは偉大な音楽家は誕生しなかったという結論しか出てこないし、娯楽っぽさのない感じがなんだかなーって。現実は厳しいっすね。
とはいえ、「テンポォ!」と唐突に叫ぶのがマイブームになるくらいには面白かった。

 

『チョコレートドーナツ』

劇場で観たけど、DVDになったので購入して再観賞。原題「ANY DAY NOW」の方が内容を表していて好き。
ダウン症俳優の演技の素晴らしさ、ゲイ俳優の演技の素晴らしさ、脚本の素晴らしさ、歌声の素晴らしさ、問題提起の内容の素晴らしさ、(日本語タイトル以外の)全てが素晴らしい。笑えて泣けて感動する映画。ゲイ目当てに観る腐女子でさえ浄化されてしまうだろうってくらいに感動的。感動できるのは、すべてがとても現実的で説得力があるからだろう。とにかく観てほしいので、公式サイトのリンクを貼っておきますね。

映画『チョコレートドーナツ』 オフィシャルサイト

 

王様と私

1956年度アカデミー賞5部門受賞作。
とても面白かった。長い幕前と幕間があったり、セット感が満載だったり、構図やカメラワークだったりが映画というより演劇って感じ。古き良き時代を感じるけれど古臭さはあまりない。多少の古臭さは良いアクセントになってる。ある登場人物がどこからどこまでは科学を信じていて、どこからは野蛮な民俗信仰を持っているのかを提示する台詞のバランス感覚が凄い。台詞で表される野蛮さと知性の見せ方が凄い。人物や物語の説得力が凄い。台詞も演技も小道具もエトセトラも何から何まで良い。文句のつけようがないけれど、強いていうなら先生の息子が空気すぎて可哀想…。
で、調べてみたらミュージカルが1951年初演で2015年現在もブロードウェイで上演してるらしい。ブロードウェイで観たいなぁ…。

 

 

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大掃除するときのために個人的な点数を書いとく。
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90~100:最高としか言いようがない。。。
80~  :出会えて良かった!
70~  :なにこれすげー面白いじゃん!
----越えられない個人的なツボ----
60~  :かなり面白い
50~  :わりと面白い
40~  :ちょい面白い
30~  :普通
20~  :特に面白くないし印象がない
10~  :お金を払ったことを多少後悔している
 0~  :ゴミに限りなく近い
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68点 曽根富美子『新装版 親なるもの 断崖』第1部・第2部
92点 森田まさのりべしゃり暮らし』19巻
35点 堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』5巻
53点 末次由紀ちはやふる』28巻
82点 九井諒子『ダンジョン飯』2巻
52点 田中圭一神罰』全1巻
 1点 岩原裕二いばらの王』全6巻
37点 やまあき道屯『X細胞は深く息をする』全1巻
 1点 marginal×竹谷州史『月の光』全4巻
72点 小川幸辰エンブリヲ』全3巻
46点 諫山創進撃の巨人』1~16巻


83点 小川一水『臨機巧緻のディープ・ブルー
88点 小川一水『砂星からの訪問者』
 6点 牧野修『月世界小説』
 2点 向井湘吾『お任せ! 数学屋さん』

 

57点 枡野浩一『淋しいのはお前だけじゃな』
 0点 元少年A『絶歌 神戸連続児童殺傷事件』

 

53点 『ヘアスプレー』
46点 『セッション』
97点 『チョコレートドーナツ』
72点 『王様と私